省エネ・創エネ お役立ちコラム
2017年12月05日太陽光発電
太陽光の設置ってどんな決めごとがあるの?
【太陽光の設置ってどんな決めごとがあるの?】
太陽光ってどの地域の、どの家でも同じ条件で設置されているのでしょうか?
実は、「設置基準」というものが設けられています。
なかなか一般のお客さまが耳にすることはないと思いますが、今回はその設置基準の「要素の一例」ついて記載してみます。
【「風」について】
その地域において「基準風速」というものが設けられています。
基準風速は2000年に建設省(現国土交通省)で定められたもので、その地域における過去の台風の最大風速に基づき、50年に一度の大型台風を想定し30m/秒~46m/秒までの範囲内において定められた風速です。
全国の市町村別に2m間隔で定められています。
ところで、実際の台風では各地の基準風速よりも大きな「最大瞬間風速」が観測されます。
基準風速が32m/秒の地域で、そのおよそ1.9倍の最大瞬間風速約60m/秒を記録し、各地に甚大な被害をもたらした事例もあります。
しかし、例えば基準風速34m/秒の地域の建物等に最大瞬間風速60m/秒の風が吹くと建物等が壊れるかというと、そうではありません。
各地域の基準風速は、目安として概ねその基準風速数値の1.5~1.8倍程度の最大瞬間風速に耐えうることを想定して定められています。
太陽光設置基準では、この「基準風速」を要素の一つとして検討します。
【「雪」について】
その地域において「垂直積雪量」というものが設けられています。
垂直積雪量は建築基準法施行令の規定により、国土交通大臣が定めた基準に基づいて、特定行政庁(県知事・市長)が規則で定める各地の積雪の深さを表す数値とするとされています。
太陽光設置基準では、この「垂直積雪量」を要素の一つとして検討します。
【「太陽光パネルの設置高さ」について】
屋根上等に太陽光パネルを設置する場合、太陽光パネルの設置高さに伴い、太陽光パネルを屋根の外周から離さなけらばならない「最低離隔寸法」という数値があり、各メーカーがそれぞれで定めています。
(太陽光パネルの設置高さ・最低離隔寸法は各メーカーによって異なります)
下に、あるメーカーの一例を記載します。
●太陽光パネルの設置高さ(中心)が「13m以下の場合」
「屋根の外周より200mmを除く範囲が設置可能範囲」
●太陽光パネルの設置高さ(中心)が「13mを超え31m以下の場合」
下図において「L1」「L2」を比較し、短い方を「L」とし、屋根の中心までの距離「H」の2倍と比較して、短い方を「D」としたとき、屋根の外周よりD/10以外の範囲が設置可能範囲。
※D/10の値が200mmより小さくなった場合、設置可能範囲は屋根の外周より200mmを除く範囲が設置可能範囲
【さいごに】
今回は太陽光設置基準に関わる要素の一例として、上述の「風」「雪」「太陽光パネルの設置高さ」を挙げさせていただきました。
これらに加えてさらに、太陽光パネルの大きさや屋根勾配、屋根材、屋根下地材、垂木ピッチ等々の条件によって、設置基準は変わっていきます。
だからこそ、施工基準をきちんと理解し実践している施工業者へ依頼することが大切ですね。