省エネ・創エネ お役立ちコラム
2017年11月06日蓄電池
蓄電池の種類「特定負荷型」と「全負荷型」
【蓄電池の種類「特定負荷型」と「全負荷型」】
蓄電池の種類には分電盤での接続の仕方により「特定負荷型」と「全負荷型」があることはご存知でしょうか?今回はこの2種類の蓄電池についてご紹介します。
「特定負荷型」
あらかじめ分電盤の中から回路を選択しておき、もしもの停電時に使うことのできる箇所を決めておくタイプです。
例えば1階のリビング、キッチンの照明やコンセントを選んでおけば停電が発生した場合にはキッチンの冷蔵庫や電子レンジ、またリビングでテレビが見られるなどできますが、2階や玄関などの選んでない場所の電気は使用することができません。そのため蓄電池を設置する際には、もしもの場合を想定して電気が使える場所を選定する必要があります。
「全負荷型」
もしもの場合でも家中の電気を全て使用できるため、蓄電池の設置時に使える場所を選定する必要がありません。最近の「全負荷型」の蓄電池の中には機能が良くなりエコキュートやIHクッキングヒーター、エアコンまで使用できるタイプが発売され停電時でも普段の生活と変わらない使い方ができるようになりました。
【どちらを選んだらいいの? 】
現在、一般的な蓄電池のタイプとしては「特定負荷型」の方が多いです。ただ停電をしていない通常時には、蓄電池の種類が「特定負荷型」「全負荷型」のどちらであっても蓄電池導入による経済効果に変わりはありません。ただし蓄電池を有効活用するには太陽光発電と蓄電池が併設されていることが望ましいです。
例えば太陽光、蓄電池が併設されている場合の通常運転時には、太陽光発電により創られた電気はまず自家消費され余った電気を売電、太陽光が停止した後の夕方から夜間までは蓄電池に溜めた電気を放電して使用、夜間から朝までは安い電気料金で溜める運転を日々繰り返しています。蓄電池の種類をどちらにするかについては、お使いになられる方がもしもの非常時にどんな備えをしておくべきか?という考え次第になってきます。冒頭にも述べました通り、全箇所使えるようにしておくか限定的でいいかということになります。
【導入費用の違いは?】
やはり「全負荷型」の方が全箇所使用できて便利なこともあり導入費用は高くなります。現在では「全負荷型」の蓄電池は屋外設置タイプになります。対して「特定負荷型」は前述した通り一般的な蓄電池として多くの種類がありますので「全負荷型」同様に屋外設置のタイプ、またバッテリーが入った蓄電池本体は屋内、蓄電池用のパワーコンディショナだけは屋外のタイプというものもあります。
【さいごに】
来年度、住宅用の蓄電池導入に対して補助金が出ると言われています。詳しい情報についてはあらためて紹介しますが、国(環境省)として太陽光発電による売電から蓄電池導入による自家消費への移行を促すための補助金となりそうです。2年後の「2019年問題」(固定買取制度終了後を考える問題)を見据えた形になりますが、災害はいつ発生するかわかりません。特にこれから太陽光発電を設置される方には蓄電池の検討も一緒にしていただくことが日々の電気代の削減だけでなくもしも災害の備えになります。是非ご検討ください。