省エネ・創エネ お役立ちコラム
2021年12月20日太陽光発電
10kW以上の太陽光発電設備の廃棄費用の積立制度がいよいよ開始に(2022年7月1日~)
2012年7月にFIT制度が導入され、投資物件としての太陽光発電事業が急激に増加しました。しかし太陽光パネル等を適切に処分するためには費用がかかるため、放置や不法投棄が増えるのではないかという懸念がありました。
これからまだまだ普及していく必要性のある太陽光発電を環境に配慮し正しく運用させていくために、われわれも含め太陽光発電に携わるすべての方々が理解しておく必要があると思います。
■制度の対象者
10kW以上の設備を有するすべての太陽光発電事業者(全量、余剰問わず)
■廃棄費用の積立金額
・積立金額の目安
解体等積立基準額(円)×売電電力量(kWh)=積立金額
◎解体等積立基準額
出典:資源エネルギー庁「廃棄費用等積立ガイドライン」より
例)2018年度認定取得の45.0kW発電設備の場合
0.80円 × 51,009kWh/年 ≒ 40,800円/年 10年間で408,000円
■積立開始時期や方法
・積立開始時期 FIT買取期間20年のうち後半10年間
・取り戻しはFIT買取期間終了後
※売電継続の場合は取り戻し不可(廃棄のタイミングに取戻し)
・発電事業を譲渡した場合、積立金も承継される。
・積立方法は「外部積立」
売電金額から積立金を差し引いて支払われる源泉徴収的な積立
※50kW以上は内部積立可
◎FIT認定事業における外部積立て
出典:資源エネルギー庁「廃棄費用等積立ガイドライン」より
FIT買取価格には、もともと廃棄費用相当額が含まれているものの、積み立てを実際に行なっている事業者は20%程度と言われています。20年のFIT期間終了以降、そのまま運用されることが望ましいとはいえ大量の廃棄は必ず出てきます。今回の制度をしっかりと理解してこれからの発電事業をあらためて考えていく必要があると思います。